ボトックスQ&A 患者さんから聞かれる質問
<ボトックスとは?>
Q.ボトックスとは何ですか?
A.ボトックスとは、A型ボツリヌス毒素から抽出した成分を精製し作られたボツリヌストキシン製剤の一般名称です。アラガン社のボトックスビスタ®️は粉状で、これを生理食塩水で希釈して、治療部位に注射します。この製剤の作用は、神経伝達物質のアセチルコリンの放出を神経終末で阻害することです。これにより筋肉の動きによってできる表情じわを軽減させ、汗の分泌を抑制させます。
Q.ボトックスはどこの病院で打っても一緒ですか?
ボトックスには種々の製剤があり、また同じ種類の製剤でも打ち方や打つ量によって効果は異なるため、医師の技術によって効果と副作用の出方に違いが出ることがあります。
例えば眉間のシワでは、薬剤の添付文書やテキストではシンプルに5箇所に打つことが推奨されていますが、当院では患者さんのシワの状態により、3〜12箇所程度に打つ量、打つ部位、打つ層を変えて調整しています。また、さらに、2〜4週間後に細かい調整を行い、その経過は写真とボトックス専用カルテに記録して、次のその方への治療に役立てています。
筋肉のつき方や表情クセは一人一人違うため、一人一人のシワに合わせて細かくボトックスも調整することが最も重要だと考えています。当院の院長は、アラガン社(厚生労働省認可ボトックスビスタ®️を販売している会社)の依頼でボトックスについて、医師向けのセミナーで講師を何度も務めています。
Q.ボトックスには色々な種類があるのですか?
A.ボトックスビスタ®️はボツリヌス菌A型毒素のアラガン社(アメリカ)の商品名で、1種類しかありませんが、アラガン社のボトックス以外にディスポート(イギリス)、メディトキシン(韓国)、BTXA(中国)、ゼオミン(ドイツ)など色々なボツリヌス菌A型毒素の製剤が作られています。
様々な製品の中で、ボトックスビスタ®️は国内で唯一、眉間の表情じわ及び目尻の表情じわの治療に用いられるボツリヌス治療薬2020年7月現在)として、製造販売承認を取得している医療用医薬品です。
Q.ボトックスは製剤による違いがありますか?
A.粗悪なA型ボツリヌス毒素製剤では不純物が多く含まれている、効果が弱いなどの問題点が指摘されています。また、実際に、2019年には製剤の安全性と有効性に問題があり、某社の製品(韓国製)が回収になったということもありました。当院では、輸入ルートや製剤の安全性、有効性の担保されている厚生労働省が認可した製剤のみを使用しています。
Q.ボトックスは菌ですか?注射は安全ですか?
A.ボトックス注射では、ボツリヌス菌そのものを注射するわけではありません。ボツリヌス菌が産生する毒素のうち、A型ボツリヌス毒素を分解・精製した製剤です。A型ボツリヌス毒素製剤には、筋の収縮力を低下させる働きがあるため、それを利用してしわの治療などを行います。ボトックスを注射する量はごく少量で、効果は注射した部位から1cm程度と限られています。このため、ボトックスを注射することで、顔全体の表情に障害が出たり、ボツリヌス中毒(食中毒の一種)のような症状が現れることはありません。
Q.ボトックス注射でしわが改善するのは何故ですか?
A.ボトックスは神経筋接合部に作用し、筋肉の動きを緩める注射です。顔では、表情筋の動きを少なくして、表情筋が動いたときにできるしわを改善します。また、表情を作ることによって刻まれるシワが次第に深くなるのを防ぐ作用もあります。
Q.ボトックス注射で汗が止まるのは何故ですか?
A.汗が出る「汗腺」にはエクリン汗腺とアポクリン汗腺があります。そのうち、エクリン汗腺では、神経終末からアセチルコリンが放出されると汗が分泌されます。ボトックス注射では、このアセチルコリンの放出をブロックして発汗を抑えます。
<当院のボトックス治療についての質問>
Q.美肌ボトックスとは何ですか?
A.美肌ボトックスはボトックスをお肌のごく浅い層に細かく注入する、ボトックスの注入技術の一つです。
従来のしわ治療目的のボトックスは、筋肉に直接注射して筋肉の動きを抑えますが、美肌ボトックスは、筋肉よりも浅い層に注入することで筋肉の動きを残しつつ、小じわや凹凸を目立たなくして肌の質感を整えます。
毛穴開きを改善して、過剰な皮脂分泌や発汗を抑え、化粧くずれしにくくする効果もあります。
<ボトックス処置についての質問>
Q.痛いですか?
A.冷却しながら極細の専用針で丁寧に注入していきますので、たいていの方は我慢できますが、少々注入時に痛みます。 また、どうしても痛みが心配な方には、塗る麻酔などもございます。どうぞご安心ください。
Q.治療時間はどれくらいですか?
A.注射自体は数分~10分程度です。部位や処置範囲でも異なります。
Q.ボトックスはどの位の期間、効果が持続するのですか?
A.効果は処置して数日後から現れ、約3~4ヵ月持続します。表情クセが取れることで、効果の持続をさらに長く感じることもあります。また、咬筋などでは4〜6ヶ月ごとに複数回、続けて注射すると、筋肉の大きさ自体が小さくなる効果もあります。
<ボトックスの安全性・副作用・問題点についての質問>
Q.ボトックス注射は妊娠中・授乳中・妊活中でもできますか?
A.妊娠中・授乳中の方へのボトックス注射の安全性は確認できていません。女性は最終投与後2回の月経終了まで、男性は投与中及び最終投与後少なくとも3ヶ月は避妊するようにと言われています。妊娠期間中にボトックス治療をしていても問題なく妊娠、出産できたという報告は多数ありますが、妊活中の女性・男性はボトックスを控えてください。
Q.副作用はありますか?
A.ボトックスは筋肉の力を緩める作用があるため、注射した部位とその周囲の筋肉のバランスが崩れると様々な問題が出ることもあります。例えば、額のボトックスでは「まぶたが重い」という症状が出ることがあります。これは、眉毛を持ち上げる筋肉(前頭筋)が緩みすぎたことによって起きる問題です。ボトックスはシワを取る注射でなく、筋肉を緩める注射であるため、効きすぎるとこうした不具合が出ることもあります。当院では、そうした不具合がなるべく出ないようにするため、慎重に治療適応を見極めると共に、まずは少量から注射して、2〜4週後に再調整(リタッチ)するという方法を取っています。
Q.以前他院で額のボトックス注射をした後、眉が下がってしまったのですが・・・。
A :ボトックスは筋肉を緩める注射であることから、筋肉のバランスにより、眉毛の角度や高さが若干変わることがあります。当院では、その方の顔立ちにあわせ、注射の量やポイント、深さを変えて慎重に治療しています。ですが、もともと眉毛の周囲の筋肉のバランスは大変繊細であるため、やはり違和感が出ることもあります。このため、当院では少量から注射して、2〜4週後に再調整(リタッチ)するという方法を取っています。
また、ご希望や状態によってはボトックス以外の治療やヒアルロン酸の併用治療をお勧めすることもあります。
Q.何回も続けて注射しても大丈夫?
A.短期間に大量のボトックスを打つと抗体産生のリスクが高まると言われています。
顔の表情じわに用いられるくらいの量であれば、続けて注射しても抗体産生リスクは低いという研究結果があります。
Q.エラ(咬筋)ボトックス注射で、食べにくくなることはありませんか?
A.通常の食事に困ることはありませんが、 とても硬いものを噛む時に顎が疲れることや、硬いものを噛んだ後で側頭部(こめかみ)が痛むことは稀にあります。
Q.エラボトックス注射で、顔が弛む(タルむ)ことはありませんか?
頰の痩せ(頰コケ)が目立つ方や頬骨の張りを気にしている方では、エラ(咬筋)が小さくなることで、頰痩せや頬骨がさらに強調されて見えることはあります。また、咬筋が小さくなることで、皮膚が余ってたるみが目立つように見えることもあります。特に、30代後半以上の方は治療前に医師とよくご相談ください。エラボトックス=小顔ボトックスと言われますが、小顔になっても「若見え」するとは限りません。
<ボトックスを打った後に聞かれる質問>
Q.ボトックスを打った後、何か気をつけることはありますか?
A.ボトックスを打った直後(24時間以内に)打った部位に美容鍼、ヒアルロン酸注入、温熱治療、強いマッサージをすることは避けてください。
その他の日常生活の制限は特にありません。当日より洗顔、お化粧・入浴・飲酒などが可能です。
Q.ボトックスを打った後、治療の跡は残りますか?
A.ボトックス注射直後は針跡がわずかに赤くなることや、注射後の膨らみ、また一部皮下出血が出ることはあります。赤みと膨らみは半日程度で改善しますが、皮下出血斑は7日程度残ることがあります。この場合は、メイクなどで隠してください。
Q.ボトックスを打った後、腫れることはありますか?
A.ボトックスは顔の表情筋の浅い部位に注射することもあるので、直後はその部位に直径3〜5ミリ程度の膨らみが出ることもありますが、腫れが続くことはありません。
Q.次の日から仕事はできますか?
A.治療翌日はまれに皮下出血が出ることがありますが、メイクでカバーできる範囲です。殆どの方が、施術後すぐにメイクをしてお帰りいただけます。
<ボトックスとヒアルロン酸注射についての質問>
Q.どのようなシワに効果がありますか?
A.表情筋の動きで出来るシワ(特に眉間のシワや、目尻のカラスの足あとなど)に効果的です。 ただし、顔を動かさなくても、すでに刻まれているしわには効果が期待できません。
すでに刻まれているシワには、ヒアルロン酸と組み合わせた治療が効果的です。
Q.ボツリヌス注射とヒアルロン酸の違いはなんですか?また、オススメはどちらですか?
A.ボツリヌス注射は、筋肉の働きを弱める作用がある注射で表情筋に伴うシワに効果があります。例えば、眉毛をぐっと寄せた時に深くなる眉間のシワや、笑った時に深くなる目尻のシワにはボトックスが有効です。
ヒアルロン酸は、ボリュームが低下した部分や、シワの凹みやくぼみに注入することができます。例えば、ほうれい線や口周りのシワ、額のへこみ、リフトアップにはヒアルロン酸が有効な場合が多いです。
Q.ヒアルロン酸注射やレーザーを同じ日にできますか?
A.ボトックスはヒアルロン酸注射やレーザー治療と同じ日に治療を行うことも可能です。
<その他よく聞かれる質問>
Q.表情じわは何歳から治療するのが良いですか?
A.20代後半になると、徐々に肌の弾力が減ってきて、表情じわが皮膚に線として刻まれやすくなります。30代になると、さらに肌の弾力を保つ成分が減るため、表情を作らない状態でも、額や目尻の表情しわが皮膚に刻まれてきます。こうした表情しわが刻まれる前(30代〜)に治療をスタートすることをお勧めしています。
ただし、すでにしわが刻まれてしまった方や、さらに上の年代でも手遅れということはありません。ボトックスはそれ以上しわが深くなることや、新たなしわができるのを予防できます。また、すでに刻まれていれば、他の治療と併用することをお勧めする場合もあります。
Q.ボトックス注射を始めたら、ずっと続けなければいけませんか?
A.「一度始めるとずっと続けないといけないからボトックス注射には抵抗感がある」という方がいらっしゃいますが、ボトックス注射は1回打ってみて、その後やめても問題はありません。施術したことで老化が加速する、受け続けなければ何か問題が起きる、といったことはありません。もとの筋肉の状態に戻るだけです。
ただ、ヘアスタイルでも良い状態をキープするには定期的にカットやカラーなどのメンテナンスが必要であるように、ボトックスでも効果を気に入って維持させたいと思う方は定期的に注射を繰り返す必要があります。
一度打っただけで、永遠に若返るという魔法の注射はありません。(2020年7月現在)
Q:「シワ、タルミの予防効果はありますか?根拠のある報告はありますか?」
A:表情を作ることによって次第に深くなるシワには、ボトックスで明らかなシワの予防効果があります。顔面痙攣(恒常的な筋収縮)がある患者において、痙攣側の方で明らかにシワが多いという論文があります。
※施術費用は予告なく変更することがあります。
最新情報はクリニックHP(コチラ)でご確認ください。
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