アゴの梅干しジワのボトックスの効果と弊害 〜口呼吸〜 

こんにちは。ようやく発表や執筆などがひと段落し、ひっさしぶりにボトックスマニア更新です。

私はボトックスが大好きですが、ボトックスは筋肉を緩める注射なので筋肉を緩めることに伴う弊害もあります。

好きだからこそ、正しく知ってほしいボトックス。

まず第一弾は、アゴの梅干しジワのボトックスについてです。

私は、大体話が長いので、最初にまとめをつけました。これだけ読んでくれたら後は読まなくても良いです。

<本記事のまとめ>

・アゴの梅干しジワにボトックス治療は有効

・上下顎骨のバランスや歯列の問題があると梅干しジワが出来やすい。

・口唇の機能や歯列(歯並び)の問題で睡眠時に口呼吸になることがある。

・口呼吸には口臭・虫歯・睡眠障害・風邪をひきやすいなどの問題があり、健康には鼻呼吸が重要。

・アゴにボトックスを打つと睡眠時の口呼吸を助長する可能性がある。

・若年者でアゴに梅干しジワができる人は美容クリニックでなく口腔外科へ

・アゴの梅干しジワ対策にはヒアルロン酸注入も有効(口呼吸を助長することはない)

顎先にできる梅干しジワ。

このシワは「オトガイ筋」によって作られるシワです。

オトガイ筋は下唇を持ち上げて突き出す時や、口を強く閉じる時に収縮して、その動きが梅干しジワを作ります。

梅干しジワを作る「オトガイ筋」は、不機嫌な時にブスッとした表情、下唇に力を入れてブーたれた表情を作る時に力が入る筋肉であり、

口角下制筋と一緒に動いて「への字口」を作るため、

そこにシワがあると、不機嫌そうな印象になります。

画像出典コチラ

ブスッと不機嫌な表情を作ろうとしてみてください。下唇を突き出してブーたれた表情を作ろうとする時に、アゴ先に力が入るでしょ?

それがオトガイ筋です。

 Clinical Anatomy of the Face for Filler and Botulinum Toxin Injectionより改変して転載

自分で鏡を見る時に梅干しジワが出ていることは少ないので、自覚しづらいのですが

無意識に 梅干しジワが出てしまう人が多くいます。

上顎と下顎のバランスや歯並びに問題があり、口が「ぽかん」と開きやすい構造になっていると、口を閉じるために必要な筋肉(オトガイ筋、口輪筋など)にチカラが入ってしまうからです。

また、加齢によって骨の萎縮が進むことや口周りの機能が衰えると、さらに口を閉じるためには強いチカラが必要になり、オトガイ筋は慢性的に過緊張の状態になってしまうこともあります。

そうした状態のオトガイ筋にボトックスを打つと、筋肉の緊張が取れて梅干しジワが出にくい状態となります。

無意識の梅干しジワが無くなり、ツルッとしたアゴになって、不機嫌な印象も改善するため、オトガイ筋の梅干しジワへのボトックス治療は有効で、とても喜んでいただける処置の一つです。

ですが、口を閉じるために重要なオトガイ筋のチカラが弱くなっても大丈夫なのでしょうか?

口周りには口輪筋という筋肉があるので、オトガイ筋のチカラが弱くなっても、口がぽかんと開いてしまうということはありません。

ただし、眠っている間に口が開きやすくなる可能性はあります。

口周りの機能の衰えや歯列の問題があると、眠っている間に口が開いて口呼吸になりがちです。

そうした方がオトガイ筋にボトックスを打つことで、さらに睡眠時に口が開きやすい状態となることがあります。

つまり、梅干しジワが出来る人で、睡眠時に口呼吸となっている場合、そこにボトックスを打つと口呼吸を助長する可能性がある、ということが言えます。

以下の症状が気になっている方は口呼吸の可能性があります。

<口呼吸の可能性があるひと>

①アゴにチカラを入れないと口が閉じれない(つい口を開いてしまう)

②朝起きた時に喉がカラカラ 

③鼻が詰まりやすい 

④いびきをかきやすい

⑤風邪をひきやすい

口呼吸では、口臭や虫歯、睡眠障害の原因になることや風邪をひきやすい状態になることなどが報告されており、健康のためには鼻呼吸をすることが重要です。

こうした症状のある方は、ひとまずは夜間の口元を止めるテープなどをすることが有効です。

リンクコチラ※上記製品との筆者の利害関係は一切ありません。

アゴの梅干しジワが気になっている人で、口呼吸になっている可能性が高い場合は、

アゴにボトックスを打つとさらに口呼吸を悪化させてしまう可能性があるため、以下の方法が良いでしょう。

①顎の骨や歯並びに問題はないか、口腔外科や矯正歯科で診断してもらい治療をする。

②ボトックス治療ではなく、ヒアルロン酸などの注入治療を行う。もしくは併用する。(詳細は下記)

③ボトックスを打って夜間は鼻呼吸テープをする。

特に骨の萎縮のない20代以下の若年者で、アゴにシワができてしまう人は、口腔外科や矯正歯科で治療を行った方が良い場合もあります。診断によっては治療が保険適用になることもあるため、美容クリニックではなく、口腔外科専門医や矯正歯科専門医のいる病院を受診することをお勧めします。

以下の症例はヒアルロン酸注入治療の症例です。(詳細コチラ

もともと口が開きやすい状態だった方ですが、ヒアルロン酸注入でアゴ周りのボリュームを補うことで口が閉じやすくなり、梅干しジワが出にくい状態となりました。

ヒアルロン酸の注入治療では、口呼吸を悪化させることはありません。

当院では、アゴの梅干しジワの気になる方のうち、口呼吸の可能性の高い場合はボトックスだけでなく、ヒアルロン酸注入を併用した治療をお勧めしています。

※ご予算やご希望に応じてボトックス治療だけを行うこともあります。

上記症例の詳細はコチラをご覧ください。

上記症例の詳細はコチラをご覧ください。

見た目も大事ですが、まずは健康が第一です。

ボトックスは筋肉を緩める治療であるため、それに伴う弊害もあります。

治療を行う前に、担当の医師とよくご相談ください。

<本記事のまとめ>

・アゴの梅干しジワにボトックス治療は有効

・上下顎骨のバランスや歯列の問題があると梅干しジワが出来やすい。

・口唇の機能や歯列(歯並び)の問題で睡眠時に口呼吸になることがある。

・口呼吸には口臭・虫歯・睡眠障害・風邪をひきやすいなどの問題があり、健康には鼻呼吸が重要。

・アゴにボトックスを打つと睡眠時の口呼吸を助長する可能性がある。

・若年者でアゴに梅干しジワができる人は美容クリニックでなく口腔外科へ

・アゴの梅干しジワ対策にはヒアルロン酸注入も有効(口呼吸を助長することはない)

執筆者:西田美穂

アドバイザー:天神南矯正歯科 住真由美先生(HPコチラ←私自身がお世話になっている矯正歯科の先生です。いつもありがとうございます。

矯正による私の口元の変化

(写真上)矯正を始める前の45歳の私

(写真下) 47歳の今

参考書籍:鼻呼吸 歯医者さんの知りたいところがまるわかり: 鼻と口の呼吸で何が違う? なぜ違う?コチラ

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編集後つぶや記)

ちなみに佐藤浩市さんはアゴの骨が小さいわけではないけれど、はにかんだ時や緊張した時などに、オトガイ筋を緊張させる表情癖があります。若い頃からそうです。それも素敵です。

なぜか不機嫌そうには見えないのは、佐藤浩市様だからでしょうか。私が佐藤浩市様を好きだからでしょうか。

この梅干しジワにボトックスを打ったら有効かって?有効です。シワが消えてツルッとします。でも余計なお世話です。俳優さんの表情筋はその微細な動きの一つ一つが表現においてきっと大切です。

表情はその方の個性であり、魅力に繋がるシワも多いので、シワをただ減らすことが良いとは限りません。私たちは、美容医療によって その方の個性や魅力をより輝かせ、豊かに年齢を重ねるためのお手伝いができればと考えています。

画像出典コチラ

 

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