スマイルボトックス（口角上げ）とは？みんなのイメージとはだいぶ違うかも。

俗にいう、スマイルボトックス（口角を上げるボトックス）では、皆さんの「期待」や「イメージ」と「実際の効果」にズレがあることが多いので書いてみることにしました。

おそらく、皆さんのイメージでは「口角を上げるボトックス」というと、

こんな「への字口」に⬇︎口角ボトックスを打ったら

こんな風に上がる⬇︎ というイメージではないでしょうか？

無理です。

よく、ネット広告などにある「これはイメージ画像です」とか「効果には個人差があります」の「ウソやーん」なアレです。

ボトックスをちょっと打ったくらいで、口角を上げるなんて無理です。

大切なことなので、今までも、これからもずっと繰り返しますが、

「ボトックスは筋肉を緩める注射であって、シワを取る注射でも無ければ、筋肉を強くする注射でもありません」

この口角を上げる動作では、口角を上げる筋肉がしっかり働くことが重要です。

口角を上げる筋肉を働かせることは猿でも出来ます。人間にも出来ます。安心してください。

口角を上げることは動物である我々にとって大変重要。

口角を上げて威嚇をしたり、笑顔で敵意がないことを表すために必要なので、口角は上げようと思えば、誰でも上げられるのです。

ところが、口角というものは、加齢と共に次第に下がってまいります。軽やかに上がっていた25歳の私の口角も、次第に下がってまいりました。なぜでしょう？私の筋肉は25歳の頃と同じように存在するはずなのに。大人の世界の汚さが、私を卑屈にしたからでしょうか。色んな苦虫を噛み潰してきたからでしょうか。

いいえ、それだけではありません。

約20年分の重力と加齢は、皮膚をさげ、靭帯を緩ませ、骨を縮ませ、筋肉を強張らせるのです。

そして口角を下げる要素が増え、口角を上げる要素は減った結果、私の口角はどんどん下がったのであります。嗚呼、哀れ悲しや。

さて嘆いていても始まらないので、この口角をどうしたら上げられるか考えてみましょう。

まずは、口角を上げるために必要な筋肉について解説します。

古山登隆ほか「ボツリヌストキシン療法による口周辺のシワ治療」形成外科55：1303-1311,2012

口角近くには口角の動きに関わる筋肉が多く付着しており、modiolusという部位に集まっています。これらの筋肉がそれぞれ綱引きのように口角を引っ張って動かし、その力の差し引きで口角の動き方は決まります。

では、口角を下げる方向に働くのはどの筋肉でしょうか？

はい、そこのメガネのあなた。

そうです。素晴らしい。

正解は口角下制筋ですね。ていうか、筋肉の名前からしてすでに答えです。

「口角を下に制御する筋肉」が口角を下げようとする筋肉です。従って、この筋肉の力を弱めれば、口角を下げる力が弱まり、口角を上げやすくなりますね。ボトックスで「口角上げ」を希望された場合は、この筋肉を狙ってその力を緩めるように打つのです。

それだけで口角が「ぐっ」とは上がりません。

でも、ボトックスで口角を上げる邪魔になっている筋肉の力を緩めることで、相対的に口角を上げる筋肉の力が強くなるので、

ほんのり口角が上がります。なんとなく不機嫌そうな口元が改善します。

この「ほんのり口角が上がる」あるいは「笑ったときに口角が上がりやすくなる」「不機嫌そうに見えなくなる」というのが口角ボトックスの効果です。

ボトックスは、筋肉を緩めることで筋肉のバランスを調整することが出来ます。

口周りでは、口角を引き下げる筋肉を緩めることで、口角を引き上げる筋肉を相対的に強くしますが、口角をグッと持ち上げることはできません。

⬇︎これはボトックスの効果でなく、口角を上げる筋肉をしっかり働かせたことによる効果です。

「口角ボトックス」の効果は、もともと口角を下げる力が強ければ強い人ほど実感していただけますが、もともと口角が下がってない人では、効果を実感しづらいかもしれません。

口角ボトックスの効果を、特に感じていただきやすいのは佐藤浩市さんのような口角の下がりのある方です。

写真向かって右（ご本人では左）の感じです。

※もちろん、佐藤浩市さんは打った方が良いという意味ではありません。あくまでも一例としてお写真をお借りしました。ファンの方すみません。私もファンです。

出典）https://eiga.com/person/32505/

また、口角を下げる筋肉はあごの筋肉と一緒に働くためアゴの筋肉（おとがい筋）と一緒に治療するのが効果的です。

口角を引き下げる力が強すぎる人はボトックスで力を弱め、口角をぐっと持ち上げるためには鏡の前でトレーニングしましょう。

ヒアルロン酸で口角の形や周囲の筋肉のバランスを調整することも可能です。

※施術費用は予告なく変更することがあります。

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