ボトックス治療Q&A 2025年版

ボトックス治療について、よく患者さんからお尋ねいただく質問と回答をまとめました。ぜひ、参考になさってください。
1. 施術前によくあるご質問
Q. ボトックスはどんなシワにも効果がありますか?
A.
• 基本的に、表情筋の動きによって刻まれる「動的なシワ」(眉間・額・目尻など)に特に効果を発揮します。
• 一方、加齢に伴う皮膚のたるみや真皮の萎縮が大きい「静的なシワ」は効果が限定的な場合があります。そのようなシワはヒアルロン酸注入などと組み合わせることが多いです。
• シワの種類や深さにより最適な治療法が異なりますので、まずは担当医にご相談いただき、納得いただいてから施術を受けることをおすすめします。
Q. ボトックスとヒアルロン酸の違いは何でしょうか?
A.
• ボトックス(ボツリヌストキシン):筋肉の動きを弱めて、表情が原因のシワを和らげるアプローチです。たとえば、眉間の縦ジワや額の横ジワなど「動的なシワ」に適しています。
• ヒアルロン酸:皮下や骨膜の近くに注入して、ボリュームを補ったり、シワの溝を埋めたりします。ほうれい線など「静的なシワ」に有効なケースが多いです。
• シワの原因が筋肉由来か、それとも皮膚や骨格のボリュームロスが中心かによって選択肢が変わります。両方を組み合わせることで自然な仕上がりを目指すことも可能です。
Q. 注射後、腫れたり赤くなったりすることはありますか?
A.
• 極細の針を使いますが、注射部位に軽い腫れや赤みが出ることはあります。ただし多くの場合、数時間で落ち着きます。
• 内出血が起こる可能性もありますが、メイクで隠せる程度のことがほとんどです。
Q. 結婚式や大切なイベントが近い場合、何日前に受ければいいですか?
A.
• 初めての方は、イベント直前の初施術はあまりおすすめしていません。万一仕上がりに違和感を覚えても、すぐ修正ができないためです。できれば半年ほど前に一度試し、仕上がりを確認していただき、本番の1~2か月前に改めて施術するのが安心です。
• 2回目以降の方は、1~2か月前の施術で十分間に合います。必要に応じて微調整が可能ですので、余裕を持ってご相談ください。
Q. 注射はどれくらい痛いのでしょうか?
A.
• ごく細い針を使うため、「チクッ」とした痛みはありますが、注入時の薬剤が広がる際に少しジワッとした違和感を覚える程度という方がほとんどです。
• 痛みが苦手な方には、表面麻酔クリームや冷却、振動機器などを使った痛み対策もご用意できます。遠慮なくご相談ください。
Q. 打ったあとに表情が不自然になりませんか?
A.
• 適切な部位へ、適量を守って注入すれば大きく表情が崩れるようなことはまずありません。
• 一方で、過度な量や不適切な場所への注射は不自然な仕上がりを引き起こす可能性があります。
• 当院では初回を控えめにして、効果や違和感を確認しながら徐々に調整する方法も取ることができるため、お気軽にご相談ください。
Q. 「薄めた」ボトックスを使うクリニックもあると聞きましたが大丈夫でしょうか?
A.
• 当院で使用しているボトックスビスタ®は粉末状であるため、生理食塩水で調整して使用するのが正規の手順です。いわゆる「薄める」作業は必要なステップです。
• 重要なのは正規ルートで購入した製剤の厳密な管理と適切な使用方法を守ることです。「極端に安価で不安」といった場合は、どの製剤をどのように調整しているか、ぜひ、そのクリニックで確認してください。
2. 製剤や安全性に関するご質問
Q. どの製剤を選べばいいか分かりません。
A.
• ボツリヌストキシン製剤は、それぞれ分子構造や添加物が異なり、効果や持続期間、抗体の生じやすさなどに違いがあります。
治療を受ける際には、どの製剤がどのように使われているのかを十分に確認し、理解したうえで施術を受けることをおすすめします。
• 製剤によって価格差が大きいのは事実ですが、安さだけを重視すると、正規ルートで輸入されておらず、安全性と品質管理が不十分な製品が使用されている可能性も否定できません。長期的な安全性・信頼性を考慮し、ご自身が納得できる製剤を選ぶことが重要です。
Q. 承認製剤と未承認製剤の違いは何ですか?
A.
• 2025年現在、日本国内で美容領域として正式に厚生労働省の承認を受けているのはボトックスビスタ®のみです。ボトックスビスタ®は世界中の90カ国以上で承認されており、26種類以上の治療に使用が認められている製剤です。当院では、このボトックスビスタ®のみを使用しています。
• 厚生労働省が承認した製剤に万一安全性の問題があった場合は、医薬品副作用被害救済制度の対象となり、公的に救済を受けることが可能です。
• アメリカFDA承認の「ゼオミン®」「ディスポート®」、韓国KFDA承認のコアトックス、ボツラックスなどは海外では承認されていますが、国内では未承認です。これらは、それぞれの医師が個人輸入して使用するため、万一安全性に疑義が生じた場合は輸入・使用した医師個人の責任となります。
Q. ボトックスは「毒」と聞きますが、安全ですか?
A.
• ボツリヌストキシンはたしかに毒素由来ですが、美容や医療用途では厳格な精製のもと、ごく少量のみを使用します。
• 菌そのものを含んでいるわけではなく、極めて厳格に管理、精製された製剤であるため、適切な用量・手技であれば安全性は極めて高いと言えます。
Q. 抗体ができると効かなくなると聞きました。実際どうなのでしょう?
A.
• ボツリヌストキシンの成分に対する中和抗体ができると、効果が弱まる可能性があります。
• しかし、最新のメタ解析[^1]によると、抗体ができてしまう率は0.5%以下と報告されており、適切な使用であればごく稀です。
• リスクを心配される場合は、製剤選択や施術方法などを担当医とよく相談してください。
Q. 「抗体が絶対にできない」と謳う製剤があると聞きましたが?
A.
• どの製剤も「絶対に抗体ができない」という保証はありません。
• 高用量で施術を続けるほど抗体を生じるリスクは高まる可能性があると言われています。
• 必要以上の注射を避け、医師と相談のうえで計画的に受けていただくことが重要です。
Q. 思ったほど効かなかったのは、抗体が原因でしょうか?
A.
• 実際に中和抗体ができてしまうケースは0.5%以下とされ、極めて稀です。たとえ抗体があっても、完全に効果がなくなるわけではないこともあります。
• 注入量や注射テクニック、患者さまの筋肉状態の変化など、他の要因で効果が出にくく感じることも多いです。
• 効果判定をしっかり行い、必要に応じて製剤の見直しや注入方法の再検討を行うことで改善が見込める場合があります。
3. 治療効果・持続期間に関するご質問
Q. どのくらいで効き始め、どれくらい持続するのですか?
A.
• 通常、注射後2~7日ほどで効果が出始め、2週間ほどでピークを迎えます。
• 持続期間は個人差がありますが、平均して3~4か月ほどです。長い方では5か月以上効果が続くケースもあります。
• 投与量が多いほど持続期間がやや長めになる傾向がありますが、不必要に多量を注射すると副作用リスクも上がるため、バランスが大切です。
Q. 効果が切れると、逆にシワが悪化してしまいませんか?
A.
• ボトックスを打たない場合でも、加齢に伴いシワは進行していきます。ボトックスで一時的にシワを抑制している間は進行スピードが遅くなります。
• 効果がなくなれば「元のシワの状態や進行速度」に戻るだけで、それ以前より急激に悪化することはありません。
Q. 初めての施術ではあまり実感できませんでした。どうすればいいですか?
A.
• 初回は違和感を極力減らすために控えめに注射することがあります。その結果、効果が弱めに感じられる方もいらっしゃいます。
• 当院では2~4週間ほど経過を見てから「タッチアップ(追加注入)」を行っています。効果が実感できない場合は、その旨を担当医に率直にお伝えいただければ、原因と対策の検討を行います。
4. 費用とクリニック選び
Q. クリニックごとに料金が異なるのはなぜでしょうか?
A.
• ボトックス治療は自由診療で公定価格がないため、クリニックの方針や医師の技術料、使用製剤、アフターケアなどによって価格が異なります。
Q. 長期的に見るとコスパは良いのでしょうか?
A.
• 1回あたりの費用は発生しますが、効果が3~4か月程度続くことを考えると、日割りで見ると妥当だと感じる方も多いです。
• また、早期からボトックスを受けることで深いシワになるのを予防でき、今後の美容的コストを抑えられる可能性があります。
Q. どのようにクリニックを選べばよいですか?
A.
• 医師の解剖学的知識や注入の経験、使用する製剤、診察やアフターケアの丁寧さなど、チェックポイントは多数あります。
• 単に「有名だから」「安いから」という理由ではなく、実際にカウンセリングを受け、信頼できる医師かどうかをしっかり見極めてください。
5. 禁忌・相互作用について
Q. どんな疾患があると受けられないのですか?
A.
• 重症筋無力症や神経筋接合部の疾患、閉塞隅角緑内障の方などはボトックス施術ができません。
• 現在治療中の病気がある方や内服薬がある方は必ず事前にお知らせください。
Q. 他の薬を飲んでいても大丈夫でしょうか?
A.
• 筋弛緩剤や一部の抗生物質、抗コリン薬などは、ボトックスの作用を強める可能性があります。
• 内服薬がある場合は必ず担当医に申告してください。
6. 妊娠・授乳・妊活中の方へ
Q. 妊娠中や授乳中に受けられますか?
A.
• 妊娠中・授乳中はリスクが完全には否定できないため、基本的には施術を控えていただくようお願いしています。
• 妊娠の可能性がある方、授乳中の方は必ず医師と相談し、状況に合わせて施術時期を調整しましょう。
Q. 妊活中ですが、いつ施術してもいいのでしょうか?
A.
• 添付文書では、女性は最終投与後2回の月経周期を経るまでは避妊を、男性は最終投与後3か月程度は避妊を推奨する旨が記載されています。
• 妊活のタイミングと合わせる場合は、医師と十分に相談して施術時期を決めてください。
7. 術後のケアやフォローアップ
Q. ダウンタイムはありますか?
A.
• 針痕はごく小さく、赤みや腫れも通常は軽度なので、ダウンタイムはほぼありません。
• 施術当日は注射部位を強くマッサージすることは避けてください。当日から入浴やメイクは可能です。
Q. 他の施術と同日に受けることはできますか?
A.
• ダウンタイムが少ない施術(たとえば光治療や、シミのレーザー治療、高周波治療など)であれば、同日に受けることも可能です。
• 大きく腫れが出る施術(全顔のフラクショナルレーザーなど)は日程をずらしたほうが良い場合がありますので、担当医にご確認ください。
Q. 周囲にバレずに治療したいのですが、可能ですか?
A.
• 注射痕は小さく、赤みがあっても軽度なのでメイクで隠せることが多いです。
• 効果は数日~2週間かけて徐々に現れるため、大きく顔が変わったように見えることは少なく、周囲に気づかれにくい治療といえます。
• ただし人によっては表情の違いに気づかれることもあるため、念のため施術時期などを計画的に調整するとよいでしょう。
Q. 効果が出過ぎてしまったと感じた場合、弱める方法はありますか?
A.
• 現時点でボトックスの効果を即時に打ち消す拮抗薬や解毒薬はありません。
• 筋力が戻るまで数週間~数か月ほど待ち、対症療法で経過をみる形となります。
• 時間とともに回復していきますので、気になる点があれば遠慮なくご相談ください。
Q. まだ効果が残っている間に追加で打っても大丈夫ですか?
A.
• 一般的には3か月ほど間隔をあけるよう推奨されています。
• 効果の持続には個人差があるため、医師と相談しながら最適なタイミングを見極めましょう。
Q. 効果が突然切れることはありますか?
A.
• オン・オフのスイッチのように急にゼロになるわけではなく、神経の再生に伴い徐々に筋肉の動きが戻ってきます。
• 多くの方は3~4か月程度で「そろそろ元に戻ってきたかも」と感じるようになります。
参考文献
1. Jankovic J, et al. Neutralizing Antibody Formation with OnabotulinumtoxinA (BOTOX®) Treatment from Global Registration Studies across Multiple Indications: A Meta-Analysis. Toxins. 2023;15(5):342.
2. Glogau R, et al. Dermatol Surg. 2012;38:1794–1803.
3. Kawashima M, et al. Int J Dermatol. 2009;48:768–776.
4. Beer KR, et al. J Drugs Dermatol. 2011;10:39–44.
5. Carruthers A, et al. Dermatol Surg. 2015;41(6):693–701.
当院では患者さま一人ひとりに最適なプランを提案するため、十分なカウンセリングと丁寧なフォローアップを心がけています。気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
当院では患者さま一人ひとりに最適なプランを提案するため、十分なカウンセリングと丁寧なフォローアップを心がけています。気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
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